謎のIntel N100機を試す

ハードウェア

常時稼働を前提とした省電力PCは常に一定の需要があり、特に目覚ましい進歩を遂げた第12世代CPUベースのIntel N100は非常に興味がありました。ただ日本では入手困難でして、ではAliで探したら…よさげなのがあるじゃないですか。早速購入しましたのでその記録をば。

購入から到着まで

購入したのはノンブランドの産業用ファンレスPCです。Intel N100、DDR5 SODIMMスロット*1、NVMe M.2 2280スロット*1、あとi226-V 2.5GbE*4。ソフトルーター機ですね。

https://ja.aliexpress.com/item/1005005631248505.html

https://ja.aliexpress.com/item/1005005631248505.html

6月4日に購入して、11日後の15日に到着しました。お届けは日本郵便。関税や消費税の請求はありませんでした。

なんと箱が二重です。海外の通販でここまで丁寧なのは珍しい。

実際に触ってみる

商品構成は本体と2.5インチドライブ用SATAケーブル、ドライブ取付ねじ、ACアダプタ(12V5A,5.5/2.5,センタープラス,PSEなし)。説明書はありません。型番はG30M-N100と外箱に記載があり倍控科技製のようです。

筐体は厚みのあるアルミ製で、底面には厚めのゴム足。バリや穴のずれなどは見当たらず、ガワに関しては高品質な印象を受けます。

開けるとこんな感じですっきりしています。SIMスロットもありますね。ハンダ不良などは見受けられず。

M.2 2280スロット周りは余裕があり、ケースに熱を逃がすような作りにはなっていません。PCIe Gen3ですので低発熱SSDを使う前提でしょうか。2.5インチドライブを使わないならSSDヒートシンクも使えそうです(エアフローありませんが)。

Windows 10を入れてみる

まず、付属の電源はPSEマークがありません。そこで用意していた12V3AのトリガーケーブルとAnker PowerPort Atom III 65W Slimを使用しましたが、Windows 10インストールのファイルコピー開始時に電源が落ちる事象が複数回発生。電力が足りていないのだろうと108W GaN電源「ATS120TS-P120」に変更したところ改善しました。

電源を入れると脱力系のビープ音がします。POSTエラーに対応してるらしく、例えばキーボードを接続していないときなどビープの鳴り方が変わります。あとHDMI出力が少々特殊なのか、普通のデスクトップモニターでは問題ありませんが、モバイルディスプレイではOSが起動するまで何も表示されない事が何回かありました。

BIOSはAMIで、Windows 10のインストールもUSBインストールメディアから特に設定変更なく行なえます。ただしこの時点ではLANは使用できませんので、オフラインとしてインストールを進める事になります。

OSインストール完了後、infとNICドライバを適用する必要があります。以下2つを入れれば不明なデバイスはなくなるはず。

チップセット INF ユーティリティー(intel)

インテル イーサネットアダプタコンプリートドライバパック

省電力で運用するコツ

Windows 10の場合は簡単で、電源プランを「省電力」にする事でかなり効果があります。

というのはこの設定、CPUの基本動作クロックに影響します。

N100の場合、基本動作クロックが省電力で0.8GHz・バランスで1.8GHz・高パフォーマンスで2.5GHz付近となり、高いほど消費電力と発熱が増えます。バランスだと16W前後で筐体がかなり熱くなりますが、省電力なら10W前後で筐体もほんのり暖かい程度。常時稼働させるなら省電力が必須に思えます。

他は、不要なアプリを消すくらいでしょうか。今どきのOSは爪に火を点すような細かい設定をしなくても良くて楽です。

それでもという方に禁断のコマンドを書いておきますね。意味が分からない内は実行しない方が吉です。

Get-AppxPackage|Remove-AppxPackage

ちなみに当方はメモリ8GB、HIKSEMI FUTURE Eco 2048Gという構成で、消費電力は通常時8Wです。