MeLE Quieter2 使ってみました
HDMIを複数持つ完全ファンレスPCを探していたところ MeLE Quieter2 を見つけまして、いろいろ触ったのでメモします。
ハードウェア
スペックは冒頭のリンク先を見ていただく事としまして、実際に触ったところを書いていきます。
大きさは2.5インチHDDを一回り大きくしたくらい。筐体はマグネシウム合金と思われる全面金属工業プラスチックだそうで、完全ファンレス機によくあるごっついヒートシンクはないものの、パフォーマンスにリミッターがかかっているようです。(消費電力が最大10Wになるよう制限をかけている旨の記述あり)
筐体を開けてみると、M.2 NVMe 2280 スロットが1つ空いていました。付属の熱伝導シートで筐体に熱を逃がす形になっていますが、発熱が大きいSSDは使えなさそう。WD Black や Green あたりが良さそうで、発熱が大きいとされるキオクシアやSamsungなどは厳しそうです。
他に触れそうなところはなく、メモリは8GBから変更不可、CPU交換も困難でしょう。
電源は付属のACアダプタです。口は USB Type-C ですが供給は 12V 2A でPD非対応。そのため市販のUSB充電器は基本的に使えませんが、PDで12Vのプロファイルを持つ充電器であれば、12VのPDトリガーケーブルを組み合わせる事で使用可能です。(WITRN製トリガーケーブル + AC to USB-C変換プラグで動作確認済)
OSインストール
Quieter2には Windows 10 Pro がプレインストールされておりますが、そのままだと中華PC特有のキーアサイン問題が発生します(日本語や英語キーボードで入力できない文字がある)。パーティションが4つあるのも気持ち悪いのでクリーンインストールしてしまいましょうか。
まず、メーカーからドライバをダウンロード。以下URLの “Drivers & Downloads" にあるリンク先から入手できますが、どれを選んで良いかわからない方は「GML_Driver」の文字列を右クリックして、丸ごと [ダウンロード] してしまいましょう。 https://www.mele.cn/Drivers/
クリーンインストールは Windows 10 インストールメディアから直接できます。セットアップ途中から Wi-Fi が使えますし、キーボードの問題も発生しません。特に問題なくデスクトップが起動するでしょう。
デバイスマネージャを見るといくつか使用できないデバイスがありますが、これらは先ほどダウンロードしたGML_Driverをインストールすれば解消します。インストールのコツは2つ。
- デバイスは、デバイスマネージャの下から順にインストール
(上から行うと新たなデバイスが検出されて余計な手間がかかります) - インストール時はパスを手動で、[GML_Driver] フォルダそのものを指定
(サブフォルダを自動で検索して適用してくれます)
M.2 SSD のススメ
Quieter2にはeMMCが64GB搭載されていますが、かなり遅いです。
なので、ハードウェアの項で触れたとおり、M.2 SSD にOSをインストールするのがお勧めです。下記は WD Green ですが、この速度を見るに PCIe 3.0 x1 接続のようです。そのとおりであれば速度は何を使っても変わらないので、耐久性を気にしなければ安物で十分という話になります。
Windows 11 対応について
メーカーも公称するとおり、Quieter2は Windows 11 に対応しています。Windows 10 からのアップデートも、インストールメディアからのクリーンインストールも、特に問題なくできました。ドライバも前述のものが適用できます。
余談ですが、Windows 11 はまだ発展途上のようで、おかしな日本語がちらほら。あなたはそこにいますか。
当方でも Windows 11 リリース当日から常時電源ONしており、当記事執筆時点で13日経過。その間トラブルは発生しておりません。
中華PCというと失礼ながら胡散臭いイメージがありますが、MeLEはドライバがきちんと公開されており、フォーラムも健全に運用されていて、しっかりしたメーカーだと感じました。良い買い物をしました。
かれこれ7か月、常時通電状態で特にトラブルなく使用できております。
消費電力を計測したところ、平時4W前後、最大10Wほどで非常に省電力だと感じます。
しいて言えば、ACアダプタが鳴くようになりました。通常は気になりませんが、就寝時など「キュイイイイ」といった感じの音が少し気になりますので、前述のUSB充電器+12V PDトリガーケーブルで代替しております。